重複癌


 癌が異なる臓器に存在し、それぞれが別個に発癌したと考えられるものを重複癌と言います。たとえば胃癌の方に肺癌が見つかった場合などです。同じ時期にいくつかの癌が見つかる場合を、同時性重複癌、ある癌を治療した後に別に見つかる場合を異時性重複癌と呼びます。

 重複癌と混同しやすいものに、転移性癌があります。例えば、胃癌から肝臓に転移したものを転移性肝癌と呼びます。これは胃癌と肝臓癌が別々に発生したわけではなくて、胃に発生した癌が進行し、その一部が流れていいって肝臓で大きくなったものであり、あくまで胃癌です。一方重複癌の場合はそれぞれが別に発生しているので、それぞれが早期がんであれば十分治癒可能な場合もあります。一箇所だけに癌がある場合であれ複数箇所に癌がある場合であれ、早期がんの段階で見つけることがとても大切なのです。

 胃の手術を受ける場合には、他の癌の検診を受けることをお勧めします。特に大腸がんと胃癌の重複の頻度は3〜10%といわれており、当院では胃癌の場合はほぼ全例、大腸の検査も行います。

 胃癌の手術を受けられた方は、胃癌の再発に注意を奪われがちです。しかし、せっかく定期検査を受けるのであれば他の癌(肺癌、大腸癌、膵臓癌、食道癌、前立腺癌、乳癌、甲状腺癌、子宮癌その他)の検診も機会を見て受けましょう。